もののけ姫感情論

もののけ姫やってたね。観てました。

 

しかし自分はなんというか、今こんなこと言わなくてもいいのかもしれないが実はジブリの中で「もののけ姫」が一番好きである。

 

思ったんだけど、アシタカはイケメンだ。
「そんなこと言われんでもわかっとるわブサメン」と言わないでほしい。

 

ここで言うイケメンというのは悪い意味でのイケメンである。

 

アシタカはいい奴、凄い奴、しかもイケメン。
そりゃサンも惚れるわ……

みんなそう思っているかもしれないけど、改めて考えてみるとアシタカは良くも悪くもイケメンなのである。

そしてサンもちょっとぽーっとしちゃってるのである。

アシタカは偉い、かっこいい、凄い。
それは異論はない。
立派である。

 

もし自分に妹とかがいたとしてアシタカにパンツを盗まれても「まあアシタカなら仕方ねえかな……」と思ってしまうだろう。

むしろ「おいおい、お前アシタカさんにパンツ盗まれるなんてラッキーだな!精一杯喜べよ!」とか応援してしまうかもしれない。

 

でもアシタカ、結構やってること適当なのだ。

皆さんも観ていて思ったことがあるはず。
「あれ?村に出る時に貰ったもんをサンにあげちゃうの?それって元カノのプレゼントを今カノにあげるのと一緒じゃね?」と。


観てる方はそう思う。

でもアシタカ的にはそれは「まあ当然だろ」のレベルなのである。

「あいつも心寂しいだろうから、何か渡したいなあ、あ、これがあるじゃん、じゃこれで」
そんな気持ちなのである。


軽いのである。

 

「忘れない」とか「いつも想って生きる」とか、そういうのは綺麗さっぱり忘れちゃってるのである。


イケメンは細かいことを気にしない、だからいつもすっきりさっぱりふやふや。

イケメン恐るべし。


そしてサン。
初めて彼女を観た時には、さほどサンという少女をかわいいだとかそういう目で見たことはなかった。

どちらかと言えば「これが不細工だったらまあ話にならんわな」みたいに思ってたくらい。

でも何度も観てると「あ、こいつかわいいな」と思ってくる。

それも完全にプラスの意味ではなく、やはりどこかマイナスな意味で。

 

サンはちょっと頭が足りないと思うんですよね。

あの立派なモロに育てられたとはいえ、そこはそれ少女として年相応のパープリン具合である。
だからアシタカにあんなに心惹かれちゃったわけである。

 

そもそもサンは「自分が人間であること」を一番引け目に感じていたはず。
だからこそ人間を敵視していたわけで。
そしてたまたま敵対関係にあるはずのタタラ場の人たちもサンを敵視しちゃっていたからこそ成り立っていたわけです。

 

そこにアシタカなんていう中立の立場の、中途半端に優しい上に力まであるイケメンが来ちゃって「お前かわいいよね」とか言われたら、そらぽーっとなっちゃうのである。

嫌よ嫌よも好きのうちの究極というかなんというか、サンは根っこでは人間に近づいてみたかったんですよね。

 

そう思って観ると、「勇猛で気丈」だったもののけ姫サンがどんどんと「ちょっと頭の気の毒な子」に見えてきてしまって。
そこで前述の「あ、こいつかわいい」と思ってしまったわけである。

 

そう考えてみると、物語のその後というのはなかなか興味深い。

「俺はここに残るし、お前は森にいたらいいじゃん、たまに会おうよ」
そして別れるふたり。

 

だがどうであろう。
イケメンは綺麗さっぱり忘れて会いに来ない、
見に行ってみれば、他に女つくってやがる、
子供までいやがる。
キーッ!!ガッシ!ボカッ!ウルーフ(狼)

とかになってたらおもしろいのに。

あ、犬神だから(犬)か。

 

まあそれはいいとして。
もののけ姫が好きである。

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