童話

毎年冬になってこうも寒くなってくると、ふとある童話のことを考えてしまう。

 

アリとキリギリス


アリとキリギリスがいました。
アリは夏の間、冬に備えて食糧を蓄え続けました。
キリギリスは夏の間、歌を歌って楽しく過ごしました。
そして冬がやってきました。
食べるものがなくなったキリギリスはアリに助けを求めましたが相手にされず、そのまま飢え死にしました。

努力や積み重ねが大事なんだよって物語なんだと思います。

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アリの視点
夏の間中ずっと歌を歌っていたキリギリスが、冬になった途端私たちのところにやってきて「飢え死にしそうだから食べ物を恵んでくれ」と言ってきました。
キリギリスが飢え死にしたら私たちの貴重なエサになるもんだからもちろん断りました。
早く死んでくれないかなぁ。

 

キリギリスの視点
アリの連中は夏の間中ずっと近辺の食べ物を奪っては巣に貯め込んでいました。
他の虫たちはみんな迷惑していたし、自分はそんなはしたない真似はしたくないので、みんなを楽しませるために歌を歌っていました。
冬になっていよいよ食べ物がなくなってきたので、恥をしのんでアリに助けを求めたところ、あっけなく断られてしまいました。
このままでは飢え死にしてしまいそうです…助けてください。

 

ミミズの視点
アリもキリギリスも夏の間にたくさん糞をしてくれたので、土の栄養が豊富になって過ごしやすいです。
冬になって何やらアリとキリギリスがもめているようですが、私たちにとってはどちらも神様のような存在です。
本当にありがとう。

 

人間の視点
せっかく購入したマイホームの庭なのに、アリとかキリギリスとか出るようになりました。
アリは家に入ってこられたら迷惑だし、キリギリスは鳴き声がうるさいので、アリコロリと殺虫剤を買ってきて両方とも退治しておきました。

 

鷹の視点
アリとかキリギリスとかそんな小物は腹の足しにもならないので、何がどうなろうと興味ないです。
ヒヨコとかネズミとかの話をしてください。

 

真実なんてものは、きっといくらでもあるんだと思う。